小中学校の保健室の役割

今年も、学校健診の季節になり、小学校2校中学校2校に出かけました。

小中学校のうちそれぞれ2校は養護教諭が2名ずつ常勤、あとの2校は生徒数等により一人勤務です。
一人勤務の養護教諭は、保健室本来の仕事に加えて、子供達が保健室に来て様々な訴えをする応対に追われます。
小学校なら、例えば体調不良(でも、熱もない。そんなにしんどそうでもない)。「いつから?」と訊けば「昨日から」。
中学校なら、「先生が嫌い」「クラスメートが嫌い」「勉強が嫌い」等。
一人の養護教諭が、そんな子供達に(実際の病人ケガ人も含めて1日30人以上になるそうです)に対処していると、本来の業務が後回しになってしまう。
校長・教頭・担任に相談しても、なかなか良い対応策がない。
こんな話を、2週続きで耳にして、さすがに驚きました。

学校組織の中で、養護教諭は、保健室登校(不登校より一歩前進)、生徒のメンタルヘルス、などの役割を担っています。
スクールカウンセラーは、予算の関係もあり、毎日学校にいる訳ではありません。
どの学校も養護教諭(もちろんスクールカウンセラーも)の数を増やしてあげてほしい、と思います。

目の不自由な人を見かけたら

最近、街中や駅のプラットホームで、白い杖を持った人を見かけることが多くなりました。
通い慣れた場所なら、誘導用ブロックに従って、さっさと歩ける視覚障害者もおいでなので、混雑した駅中などでは健常者が視覚障害者だと気づかないこともあります。
でも、もし気がついたら、安全に進んで行けるよう、見守ってあげて下さい。

ホームで、電車を降りた後、反対方向に歩いて行こうとなさったり、電車に乗ろうと待っていた場所と入って来た電車の停車位置が微妙にずれていたりするのを見かけたことがあります。
そう言う場合は、迷わず声をかけてあげて下さい。
出来れば、まず「もしもし」と呼びかけ、「お役に立てれば幸いです」と言う気持ちを伝えるのが良いと思います。
誘導する時は、肘を持ってもらい、先にたって歩くのが一般的です

日本人の失明の原因には、緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症などがあげられていますが、寿命が延びるにつれて、中途失明のケースも多くなっています。
お互い、気をつけて、安全に老後を過ごしたいものです。

花粉症の季節

今年も、花粉症の季節になりました。
今年は、年始が4月半ばのような暖かい日が続きましたので、花粉の飛散時期が早くなるだろうと予想されていました。
その後、いったんは寒くなりましたが、少し春めいて気温が上昇するにつれて、花粉が飛び始めたようです。

アレルギー性鼻炎は、抗アレルギー剤の内服で症状がかなり改善しますが(副作用として眠くなりますが)、アレルギー性結膜炎に対する治療は、点眼が効果的です。
抗アレルギー剤の点眼でも、症状は軽減しますが、どうしてもつらい時は、低濃度のステロイド点眼薬が効きます。
長期間にわたる使用や高濃度のステロイド点眼薬は、細菌感染に対する免疫力を低下させる、あるいは、ステロイド緑内障をおこすことがありますので、注意が必要です。

抗アレルギー剤の点眼薬は、内科小児科耳鼻科等でも処方してもらっている患者さんが多いですが、それでもつらいと言う方は、眼科を受診されることをお勧めします。

適度な運動をして、全身の血液循環を良くすること、睡眠不足や過労を避けることが、少しでも症状を軽くするのに効果的です。

今年も、何とか、この花粉症のつらい時期を乗り越えたいものです。

目の症状からわかるいろいろな病気 ②目が見えない

前回に続いて、症状からわかる病気のお話です。今回のテーマは「目が見えない」です。

1.見えにくい。目が痛い。
■原因:先天的な角膜疾患。後天的な角膜外傷や角膜疾患の後遺症など。角膜は、三叉神経の枝が分布しているので、痛覚が敏感。傷や炎症により、眼痛を生じる。
■治療方法:先天的あるいは幼少時の角膜疾患により弱視になっている場合は、視力回復は難しい。 後天的な疾患による角膜混濁に対しては、角膜 レーザー切除術・角膜移植など。
■予防方法:後天的な角膜疾患の場合は、早期治療!

2.ピントが合わず見えにくい
■原因:近視遠視乱視などの屈折異常の適切な屈折矯正がなされていない
■治療方法:眼鏡やコンタクトレンズなどで、適切な屈折矯正をおこなう。成人後なら、LASIKの適応になる場合もある。

3.「かすみ」「まぶしさ」「暗いところで見えにくい」など
■原因:白内障。先天的白内障(風疹、トキソプラズマ、染色体異常など)、若年性白内障(糖尿病やアトピーに伴う白内障、ステロイド白内障など)、加齢白内障などがある。
■治療方法:手術
■予防方法:加齢性白内障に対しては、特になし。糖尿病やアトピー、ステロイドや放射線被爆等による白内障に対しては、定期的な検診が望ましい。

4.目のかすみ、飛蚊症、眼痛、充血など。
■原因:ブドウ膜炎(眼内の炎症)。重症の場合は、失明することもあり。
→感染症(細菌、ウイルス、真菌)。全身の免疫異常(サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病)。
■治療方法:基本的には、薬による内科的治療。早期発見・早期治療が大切!

5.何となく見えにくい、黒い影が見える、など
■原因:眼底の病気(眼底の血管が詰まったり、出血したりしている)
→高血圧症、腎疾患、血液疾患(白血病など)、糖尿病などの場合 にみられる。
■症状:初期には、自覚症状が無い場合もあり!
■治療方法:まず、原因疾患の治療。血管閉塞や眼底出血の程度に応じて、薬物治療、レーザー光線による網膜光凝固、硝子体手術などをおこなう。
■予防方法:内科疾患に注意。

6.見ようとする場所が歪んで見える。あるいは見ようとする場所が見えない。  ■原因:網膜の黄斑部の異常
■治療方法:糖尿病・高血圧症などの原因疾患がある場合は、治療する。中心性網膜症や加齢黄斑変性の場合は、それらに対する眼科的治療をおこなう。
■予防方法:喫煙・過労などを避ける。糖尿病・高脂血症・動脈硬化症などの内科疾患に注意。

7.視野の一部が見えない。
■原因:緑内障による視野狭窄。脳疾患(脳血管障害、脳腫瘍など)による視野狭窄。閃輝暗点。
■治療方法:原因となっている疾患の治療。

8.ダブって見える。
■原因:
①片目で見てダブるのは、乱視など、眼球に原因があることが多い。
②両目で見てダブるのは、中枢側の問題のことが多い。糖尿病・高血圧症による微小循環障害から眼球運動神経マヒをきたすことあり。 甲状腺疾患によっても複視を生じることあり。(甲状腺眼症)
■治療方法:
①乱視などの屈折異常や眼位異常の場合は、プリズムによる矯正や斜視矯正手術など。
②原因となっている全身疾患の治療。

コンタクトレンズをインターネットで購入する患者さんが増えています

「インターネットで購入すると安価」「眼科での定期検査を兼ねて、購入しに行く時間がない」
などの理由で、コンタクトレンズをインターネットで購入する患者さんが増えています。

快適に装用し続けて頂ければ良いのですが、眼に異常をきたして来院される患者さんも多いです。

「コンタクトレンズを装用したい」と眼科に来られた患者さんに対して、眼科医は、
屈折検査(近視遠視乱視等の度合いを調べる)、
矯正視力検査、
角膜曲率半径計測(黒目のカーブを測る)、
眼位検査(斜視等がないか調べる)、
細隙灯顕微鏡検査(結膜、角膜、水晶体に異常がないか)
眼圧検査(緑内障などの検査)、
眼底検査、
等々をおこない、コンタクトレンズを装用する際に問題になるような目の病気が無いことを確認して、
その患者さんの目にあったコンタクトレンズを、お勧めします。

コンタクトレンズメーカーは沢山あり、デザイン・材質・ベースカーブ・直径なども少しずつ違いますので、実際に装用してみないと合うか合わないかわかりません。
患者さんの目に合ったコンタクトレンズを、メーカー、ベースカーブ、度数、直径など、装用した状態で、コンタクトレンズの動きを見ながら選びます。
通販で購入したコンタクトレンズも、装用して問題ないか、眼科でチエックしてもらった方が安心です。

屈折矯正手術とは

最近、「眼鏡をかけずに、あるいはコンタクトレンズを装用せずに、よく見え る生活を送りたい」と
希望される患者さんから、レーシックについて、質問を 受けることが増えています。
レーシックは、屈折矯正手術の一つです。

屈折矯正手術とは、わかりやすく言えば、角膜をエキシマレーザーで削って、
屈折異常(遠視・近視・乱視)を矯正して、眼鏡やコンタクトレンズを使用しなくても
裸眼視力が良くなる手術です。
(角膜をエキシマレーザーで削る方法以外に、眼内レンズを入れたり、
水晶体を取ったりするやり方もあります。)

屈折矯正手術は、現在のところ、20才以上の成人を対象としています。
40才以上の場合には、術後に老視になって、老眼鏡が必要になることもあります。
白内障が認められる場合は、まず白内障の治療を先にした方が良い場合もあります。
重症のドライアイ、角膜ヘルペスなどの感染症、緑内障、重症の糖尿病やアト ピーなどのある場合は、
眼科専門医と相談した方が良いでしょう。

角膜を削るわけですから、手術後のまぶしさ、痛み、角膜感染症、
ステロイド 消炎剤を使用することにより緑内障をおこす場合がある、手術後の角膜の異常 な変化、
ドライアイ、などのいろいろな事が起こるおそれがありますが、
術前に、角膜の形状や角膜厚、ドライアイがないか、その他(視力検査、眼圧 検査、眼底検査などなど)
精密な検査の結果、手術方式を選択します。

京都市内なら、京都府立医大眼科の専門外来を受診なさることをおすすめします。

なお、費用については、現在のところ、健康保険の対象外となっています。

快適に見える生活

何となく見えにくい」「目がかすむようで、うっとうしい」
と言って眼科を受診される患者さんを、よく見受けます。

原因は、いろいろあるのですが、ざっと挙げてみます。

(1)屈折異常
近視、遠視、乱視、老視などが原因で、ピントが合いにくくて見えにくい。
あるいは、視力を測ると、思ったより良く見えているのですが、長い間見て
いると、かすんできたり、目が疲れて目の奥が痛くなってきたりする。

(2)眼位の異常
斜視や斜位があるため、見えにくかったり、疲れたりする。

(3)眼瞼、結膜、角膜の異常
メイボが出来て、うっとうしい。
結膜炎で、目やにが出たり、白目が腫れたりして、うっとうしい。
角膜(黒目)に傷が入ったり、炎症をおこしていて、うっとうしい。

(4)白内障
若い頃に比べて、何となく、見えにくい。
まぶしい。
暗い所で、見えにくい。

(5)緑内障
何となく、うっとうしい。
頭が重い。
視野の中で、見えにくい部分がある。

(6)眼底(目の奥)の病気
眼底出血(高血圧・糖尿病に罹っている場合は、発症しやすいです。)
加齢黄斑変性
網膜剥離
などの病気があるために、見えにくくて、うっとうしい。

加齢に伴う飛蚊症の場合は、病気ではないので、すぐには心配ないのです
が、経過観察が必要です。

脳梗塞を防ぐ為に

頭蓋骨の頸動脈管を通って、頭蓋腔に入る内径動脈から出た眼動脈は、視神経に接して視神経管を通って,眼窩に入ります。

内径動脈が閉塞すると頸動脈内壁に出来た、塞栓子が遊離し、一過性に眼底出血や白斑が見られることがあります。
自覚症状としては、「モヤモヤした影が見える」などと言う感じです。
網膜動脈閉塞症や虚血性視神経症が発生すると、いちじるしい視力障害をきたします。

生きている人間の血管の状態(動脈硬化の有無など)がわかるのは、透明な角膜(くろめ)通して、覗くことが出来る眼底だけです。
眼底検査で、全身の血管の状態が、すべてわかるわけではありませんが、いろいろな情報を得ることが可能です。

内径動脈閉塞症から脳梗塞をおこす危険性も高いので、眼底検査の結果は、眼科医から内科の主治医に報告・相談するようにしています。

黄斑部の病気

人間の目をカメラにたとえると、フィルムに当たるのが網膜です。 その網膜の中で、視力をつかさどる大事な細胞が集中し、最も鮮明にピントの 合った像を結ぶ部分が、黄斑部です。

黄斑部に異常が生じると、ものの形、大きさ、色、立体、距離など光の情報の 大半が識別出来なくなり、ものがハッキリ見えなくなります。
黄斑部の網膜に、穴があいて、見えにくくなる「黄斑円孔」。 黄斑部の血管壁がゆるんで、血漿成分が浸み出し、網膜がむくんで、見ようと する真ん中が見にくくなる「中心性滲出性網膜症」。 黄斑部に年齢的な変化・変性が生じて、網膜や脈絡膜に出血やむくみを生じ、 視野の中心が見にくくなる「加齢黄斑変性」。 糖尿病性網膜症の中でも、黄斑部に異常が生じ、視力が低下する「糖尿病性黄 斑症」。

眼科では、患者さんの症状を訊き、 視力検査、眼底検査、蛍光眼底造影検査(腕から造影剤の点滴注射を行い、眼 底血管を造影して、病状を調べる)などの検査をおこないます。
治療は、内服薬、レーザー光線による治療、手術など、病気の状態により、選 択されます。

黄斑部は、視力を出す重要な部位なので、治療の効果も、なかなか難しい場合 が多いのですが、 治療技術の著しい進歩により、視力回復が得られる場合も多くなりました。

平均寿命が伸びても、目の方も、良好な視力を保ち、充実した生活をすごして 頂きたいと思います。

深視力の検査に合格したい

「大型・2種」運転免許を所持するには、深視力の検査に合格することが必要とされています。

トラックやタクシーを運転する方で、「免許取得あるいは免許更新に際して、深視力が不合格だった」と受診されることがあります。
最近、就職に際して、あるいは仕事上必要となって、「大型・2種」運転免許を取得したい方も増えてきました。

深視力の検査装置とまったく同じものは、診療所にはないのですが、深視力の検査は、両眼視機能の検査と考えます。

両眼の視力が良好で、遠近感や立体感が、敏速に認識出来ることが大切です。

「深視力が不合格だった」と言う方には、屈折検査、視力検査、斜視や斜位がないか眼位検査、そして両眼視機能検査をおこないます。
そのあと、両眼揃って視力良好となるよう眼鏡を処方する場合が多いです。