白内障の手術を、いつ受けるか?

「白内障の手術を受けるべきでしょうか?」と言う質問を、よく受けます。

一番多いのは、運転免許の更新を前にして、視力検査で合格するだろうか、と言う時。
何とか矯正視力で0.8見えても、夜間運転するのが怖いようなら、白内障の手術を受けた方が良い、と思います。

手芸・ちぎり絵・編み物などの趣味を楽しむ方で、手もとが見えにくくてお困りの場合も、手術を受けようと決心されることが多いです。
テニスやゴルフのボールが見えにいので、手術を受けたい、と言う方も。

「車もバイクも運転しないし、特に細かい字の読書や作業もしないので、白内障の手術を受けない」と言う方もありますが。
現代社会では、目から入る情報は多く、視界がクリアになると脳も刺激を受けるのでしょう、。
白内障の手術を受けた後は、表情が明るく若々しくなられることが多いです。

寿命が延びて、長生き出来るようになりました。
個人差はありますが、体力も気力もある80歳くらいまでに、白内障の手術を受けるのが良いのでは、と思います。

ただ、白内障手術を受けても、若い頃のように「遠くも手もとも裸眼で見える」と言う状態に戻れるわけではなく、見たい距離に応じてメガネが必要にもなります。

遠視について

生まれて間もない赤ちゃんのほとんどは、遠視ですが、身体の成長とともに眼球の直径も伸びて、遠視の度数が緩くなってきます。
遠視の度数が強いと、3歳児検診や就学時検診の頃になっても、遠視のため視力が出にくい場合があります。
放置すると、弱視になったり調節のバランスを崩して内斜視になったりするので、遠視のメガネをかける必要があります。

弱視や斜視にならなくても、「学校で黒板の字が見づらい」疲れる」と訴えて来院される学童期の患者さんで屈折検査の結果、遠視だった、と言うことがよくあります。
遠視のお子さんは、遠視のメガネをかけると、眼精疲労が無くなって、楽になります。
ご両親も遠視で、遠くがよく見えて、メガネをかけずにすごしてきた、と言う場合が多いようです。

「若い頃は遠くまでよく見えていた。40歳頃から老眼用のメガネが必要になったが、加齢とともに、遠くも何だかみえにくくて疲れる」と言う大人の患者さん。
加齢とともに、水晶体の柔軟性が失われ、調節力が低下するのでしょう。
遠視のメガネをかけると、楽になる場合が多いです。近視や乱視が、「見えにくい」「目が疲れやすい」原因だと言うのはご存知の方が多いのですが、遠視も見逃せません。

帯状疱疹

 「何となく片方の目の辺りに違和感がある」「うっとうしい目と同じ側に、頭痛がする」と来院される患者さんで、眼科的な検査で異常なく、帯状疱疹の前駆症状ではないか、と 内科に紹介することがあります。

 翌日くらいから、額の皮膚に水泡が拡がり、強い痛みを生じます。抗ウイルス薬の内服・点滴などで、治療します。

 逆に、帯状疱疹で内科や皮膚科を受診後に、「目の方は大丈夫か?」と、眼科受診される患者さんもおいでです。

 水痘帯状疱疹ウイルスに一度感染すると、ウイルスは休眠期に入り神経根内にとどまります。そのウイルスが再活性化し、皮膚に広がって帯状疱疹を起こします。額や鼻が 感染した人の約半数は眼も感染し、帯状疱疹が出ている側の皮膚と同じ側の眼に症状が出ます。

 眼に感染すると、眼の痛み、充血、 光への過敏、まぶたの腫れを引き起こします。ブドウ膜炎(角膜の後ろの組織に炎症が生じる)を起こす場合もあります。

 高齢の患者さんなどでは、皮膚の水泡が治癒しても、ピリピリした痛みや違和感が持続する場合が多いです。

 疲労や加齢によって、体力低下し免疫力が落ちた場合に、ウイルスが再活性化しやすいようです。
くれぐれも無理のしすぎは禁物ですね。

加齢と眼精疲労

小学生くらいの年齢の子供で、乱視があっても裸眼視力が良好で、小児の調節力のすごさに驚かされることがあります。
だんだん勉学時間も長くなると、そう頑張りがきかなくなってきますが。

35歳を過ぎた頃から、乱視のメガネをかけると良く見えて楽だ、と言う患者さんが増えてきます。
さらに加齢が進むと、斜視斜位などに対して、プリズム矯正したメガネをかけると楽だ、と言う患者さんも多くなります。
さらに、白内障が始まり、水晶体の柔軟性が失われると、自力では屈折・眼位の矯正がしんどくなり、「見えにくい」「目が疲れる」と言った訴えが増えます。
白内障の術後、視力は回復しても、調節力までは若い頃のように戻りませんから、多くの場合、遠用(遠くを見る)あるいは近用(手もと近くを見る)メガネが必要になります。

眼鏡処方の結果、「ずいぶん楽になった」と喜ばれる患者さんは少なくありません。
PCを使う機会が増えた昨今、そんな患者さんが増えています。

眼精疲労について

「疲れ目の目薬を、薬局で買って点眼しています。」とか、「疲れ目の目薬を下さい。」と言う患者さんが、よくおいでになります。

近視、遠視、乱視などで、ピントが合いにくい。でも、眼鏡で矯正せずに、あるいは、眼鏡の度数が合っていなくて、無理をして見ている。

内斜視、外斜位斜視などの眼位異常がある。でも、自力で調節して、無理をして見ている。

老眼になってきている。でも、裸眼で、あるいは、度のゆるい老眼鏡で、無理をして見ている。

白内障になって、見えにくくなってきた。でも、何とか頑張って無理をして見ている。

空調の効いた部屋で、パソコンの画面を見ながら仕事をしていると、コンタクトレンズが乾燥してきて、目が疲れる。

他にも、「何か目が疲れる」と来院された患者さんの目を検査してみると、「緑内障」や「加齢黄班変性」などが見つかることがあります。

高血圧症や糖尿病などの内科の病気が原因で、眼底検査をしてみると、眼底出血や眼底血管の閉塞などが見つかる場合もあります。

眼精疲労と言うと、すぐビタミンB12(シアノコバラミン)などの目薬を思い浮かべますが、まず、原因を調べることが大切です。

白内障について

「白内障にかかっていると、言われました!」と、来院された患者さんには、「そんなに驚いたり、心配したりしなくても良いですよ。」と申し上げることにしています。

目の中には、水晶体という、カメラのレンズに相当する組織があります。

ものを見る時に、厚みを変えて、ピントを合わせる働きをします。

年を取るにつれて、水晶体は、硬くなり、やがて濁ってきます。それが、白内障です。

濁りの程度や場所によって、見えにくさは、違ってきます。

白内障の進行を、少し遅らせるかな、と言う程度の目薬は、ありますが、やはり、治療は手術しかありません。

車の運転をする方や、手芸などの細かいことをしたい方は、不自由だと思ったら、手術を受けられることを、おすすめします。

日常生活に支障はないし、手術を受けるのは、こわいし、ためらわれる、と言う方は、眼科で定期的に経過観察を受けながら、ゆっくり思案なさるのが良いと思います。

はやり目

最近、流行性角結膜炎が、はやっています。

プール熱とも呼ばれるくらいで、毎年、プールの時期になると、保育園・幼稚 園・学校で、「うつらないように気をつけて下さい」と注意を呼びかけます。
はやりめに罹った人の目やに・涙や排泄物の中に含まれるアデノウイルスが、 他の人の目や口などの粘膜に接触すると、感染します。

感染すると、まず片目が充血、ゴロゴロする、涙、目やに、などの症状が出 て、日増しに、だんだんひどくなってきます。
そのうち反対側の目にも、同じような症状が出ますが、あとからなった目は、 幾分か軽くてすむことが多いようです。
結膜炎の症状が出てから、1週間くらいたつと、少しずつ症状が改善し、2週 間くらいで、ほとんど楽になります。
が、結膜炎がひどく、角膜炎も伴うと、黒目に細かいキズが入り、ゴロゴロす る感じがひどくなり、「目がかすんで、見にくい」、「まぶしい」などの症状 が出て来ます。
この角膜炎の症状は、結膜炎が治ってからも、数週間~数ヶ月続く場合があり ます。

アデノウイルスに対する特効薬はなく、ステロイド点眼液などで症状をやわら げます。

家族や周囲の人達にうつさないよう、 「うっとうしくて、ついさわりたくなるけれど、目にさわらない」
「目にさ わった手で、あちこちさわらない」
「目にさわったら、石けんと流水で、よく 手を洗う」
「タオルを別にするのが面倒なら、テイッシュペーパーやペーパータオルなど で拭いて、使い捨てにする」
「(ウイルスは熱に弱いので)下着は熱湯に浸ける」
「入浴は、最後に入る。 浴槽から出た後、残り湯を沸騰させてから流す」あるいは「浴槽に入らず、 シャワーを浴びるだけにする」など、気を付けて下さい。

咽頭結膜熱とも呼ばれ、風邪のように「発熱」「のどの痛み」「腸炎」などの 症状がでることもあります。いったん罹ると、20数年くらいの免疫が出来るようです。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」について

明るいところで、白い壁や青い空を見た時に、目の前に、糸くずや虫のような物が、
フワフワと飛んでいるように見えたことはありませんか?

視線を動かしても、一緒に移動するし、まばたきしても、目をこすっても、消えない。

こんな症状を、「飛蚊症」と呼びます。

眼球の中の大部分は、硝子体と言うゼリー状の透明な物質で満たされています。

外から入った光は、角膜(くろめ)、水晶体(レンズ)、硝子体を通過して、網膜に達します。

この硝子体に、何かの原因で「濁り」が生じた時に、その「濁り」の影が網膜に映って、
「飛蚊症」を生じます。

硝子体の「濁り」の原因は、単なる加齢(老化)現象のことが、多いのですが、
網膜剥離や眼底出血などの病気の時にも、見られます。

「飛蚊症」の原因が、心配ないものなのか、あるいは、ほうっておくと失明に

至るような病気なのかは、眼底検査をしてみないとわかりません。

眼底検査は、散瞳剤(瞳を開く薬)を点眼して、1時間くらい経つと、瞳が開いたままになって、網膜に異常がないか、しらべることが出来ます。

検査は、すぐ済みますが、瞳が開いた状態が、4~5時間続きますので、その後、車やバイクに乗るのは、避けた方が良いでしょう。

「飛蚊症」を自覚したら、すぐ眼科で眼底検査を受けられることを、おすすめします。

光が走る

「光が走る」と訴えて、受診される患者さんに、
よくお目にかかります。

テレビを見たりしていて、
突然、視野の中に「ギザギザの光」
が現れ、数秒~数分間で消えていくのは、
「閃輝暗点」と呼ばれます。

これは、偏頭痛の10~20%に前兆として出現すると言われています。

偏頭痛以外に、
脳の後頭葉の視覚野に、腫瘍や血管障害がある場合もあります
ので、頭部CTあるいはMRIなどの精査が必要になることもあります。

閃輝暗点は、
「右眼だったか左眼だったかわからないが、右の方に見えた」と言う場合が多いのですが、

それに対して、比較的ハッキリと、片眼に「暗い所で、光が走る」と自覚される場合は、「加齢に伴う後部硝子体剥離」や「網膜剥離」を疑って、散瞳して眼底検査をおこないます。

(「飛蚊症について」を御参照ください。)

白目が真っ赤になった—結膜下出血—

「白目が真っ赤になった」と、あわてて受診される患者さんが、けっこういらっしゃいます。

白目(球結膜)の下の細い血管が切れて、出血しているのですが、見た目に目立つので、
皆ビックリして眼科に飛び込んで来られます。

見た目が派手な割には、心配ないことが多いのですが、

1.目に物が当たるとか、目をこするとか、何か機械的な刺激を加えたことは

ありませんか?

2.最近、睡眠不足やお疲れ気味ではありませんか?

3.内科的に、高血圧や肝機能異常はありませんか?

と、お訊きしています。

あと、眼底に出血がなければ、ひと安心。

結膜下に、いったん出血した血液は、日にちぐすりで、吸収を待つしかありません。

出血量にもよりますが、だいたい1週間から10日で、きれいに吸収されて、

もとの白いきれいな目にもどります。

でも、たまに、眼底の視神経乳頭の傍に、出血が見られることがあります。
これは、線状出血と言って、緑内障の初期に見られることがあります。

結膜下出血で来院された患者さんで、眼底に線状出血を認め、正常眼圧緑内障と診断
のついた患者さんを見かけることがあります。

目が真っ赤になった時には、やはり、眼科を受診なさって下さい。