山科にも少子化の波

毎年お邪魔している小学校検診に今年も行ってきました。ビックリしたのは児童数が激減していたことです。少子化の波が、京都市山科区の小学児童数にまで影響してきました。

30数年前に眼科医として駆け出しの頃、小学校の眼科検診に行った時、校舎にも校庭にも子供達が溢れ、元気いっぱいの子供達の声が満ち満ちていました。ひとりひとりの子供達は、今も元気で、とても明るくて良い子ばかりで、どうぞ皆健やかに成長して行ってくれるよう願うばかりです。

現在、小学校と中学校をそれぞれ2校、眼科校医として受け持っているのですが、養護教諭が小学校中学校で1名の学校と2名の学校とがあります。もともと児童数生徒数で養護教諭の配置人数を決定したそうですが、眼科検診中も「お腹が痛い」「吐き気がする」「擦りむいて血が出ている」等訴えて児童達が次々と保健室にやって来ます。その度に、子供達の訴えを聞き、熱を測り、ベッドに寝かせて様子を見、傷の手当てをする養護教諭の忙しさは身体がいくつあっても足りないくらいです。子供の数が減っても、むしろ子供達の数が減ってこそ、訴えは複雑化しています。

少子化が進む今だからこそ、日本のこれからを担う大切な子どもたちのために教育現場の支援体制を充実して欲しいものです。現場に2名以上の養護教諭、それから各クラスに副担任の常駐。それだけで随分と教育現場は変わるように思えます。経済的には現実問題として難しいのかもしれませんが、もっとこの子どもたちのために予算を回して頂ければなあと切望します。

今年も子ども達の眼科検診の時期になりました

4月のGW前に中学校2校の眼科検診にお邪魔しました。

中学生ともなると、眼鏡をちゃんと装用している生徒が多くて、まずひと安心。

ただフレームが歪んでいる生徒が多くて、「メガネ屋さんで直してもらって下さいね」と繰り返しました。

また年々、コンタクトレンズを装用する生徒が増えています。ハードコンタクトレンズ装用者が1名。1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズ装用者は数年前から見かけるようになっていましたが、今年は2週間定期交換タイプのソフトコンタクトレンズ装用者が増えていました。

中学生は身体的に未発達なので、本当は1日使い捨てタイプが望ましいです。コストの面で2週間定期交換タイプになってしまうのでしょうか。幸い角膜障害や結膜炎をおこしている生徒が無くて安堵しましたが・・・。「装用時間をなるべく短くして下さいね!」と繰り返しました。

GW明けは、小学校と保育園の眼科検診が続きます。診察室を出て、実際の集団生活をしている子供達を診る貴重な機会です。次代を担う子供達が健康で成長して行ってくれるよう祈らずにはいられません。

中学生の眼が心配

先日、中学校の学校保健委員会に出席する機会を頂きました。そこで先生方とお話した内容について皆さまにもお伝えできればと思います。

 ①ゲームやスマホによる近視の増加

ゲームやスマホに夢中になる時間が長くなると、調節力が低下して近視が進行するのだと思われます。成長につれて強度近視になっていけば、中高年になってから網膜の病気や正常眼圧緑内障にかかることも増えます。ゲームやスマホにばかり熱中していると、自分でじっくりものを考える習慣もつきません。もっと本を読んで自分でものを考える時間を増やせたら良いのですが。学校図書館の利用がしやすいような環境(司書の常駐など)の整備が望まれます。

 ②カラーコンタクトレンズによる角膜障害

粗悪なカラーコンタクトレンズによる角膜障害も増えています。先生方や保護者の方からの質問も出ました。「コストのかかる1日使い捨てタイプと2週間定期交換タイプのソフトコンタクトレンズについて」については、まだ10代前半の中学生の年齢では、毎日更新する1日使い捨てタイプが良いと説明しました。「スポーツをするときに、裸眼と眼鏡装用とでは、どちらが安全か?」については、眼鏡装用している方が良く見えるので、ケガが少ない旨、説明しました。

久しぶりで出席した学校保健委員会でしたが、中学生の現状を知ることができ、皆様にも「知らないことが多かった。参考になった」と喜んで頂け実りのある時間でした。

子供の近視が増えています。どうしたものでしょうか?

2018年11月にも、近隣の小学校の就学時健診に行って来ました。

横で手助けして下さる先生とお話した際に、「本の好きな児童が読書出来る機会が本当に限られていてかわいそう。学級文庫の本はとっくに読んでしまって、新しい本が読みたいのに、学校図書館は司書さんもいなくて昼休みしか開いていない。(中間休みは開いてなかあったり、学校によっては開いていても短くてゆっくり本が選べなかったり)公立の図書館は遠くて、児童だけでは行きにくい。」とお聞きしました。

最近、子供達が近視になる年齢がどんどん下がってきているのは、ゲーム機・スマホ・タブレットなどに夢中になる時間が長いからだ、と言われています。
子供達に「もっと外遊びをしたら良いのに」と言っても、安全な児童公園も少ないし、塾通いやお稽古事もあってなかなか忙しいし。せめて、もっと本を読む機会があれば、ゲームやスマホばかりに没頭する時間が短縮出来るのではないか、と思います。

読書は、世界も拡がり、知識も深まり、人生が豊かになります。児童たちに、もっと本に親しむ環境を用意出来たら、と思います

小学校の就学時健診に行きました

来春入学予定の子供達を、5年生が引率して視力検査・聴力検査・眼科・耳鼻科・内科と、校内を回ります。

診察する校医の隣で、誘導したり出席簿にチエックしたりお手伝いしてくれるのも5年生です。

手の空いた時に、そんな5年生の話を聴いていると、勉強以外に、読書やスポーツを楽しんでいる様子でホッと安堵します。

最近視力検査に来院する子供達を診ていると、どんどん近視が進行していくケースが、以前とは比較にならないほど増えています。
そう言う子供達に共通するのは、ほとんどの場合、一日のうち長い時間を、ゲームやスマホや携帯をいじって過ごしていることです。
まだ視機能も発達途中の子供達は、ゲーム機・スマホ・タブレット・携帯のような小さな画面を見続けると、大人よりもずっと急速に、調節力を衰えさせ近視の進行を異常に早めるようです。
そうした子供達が、大人になって強度近視になっていき、(最近は平均寿命が長いので)正常眼圧緑内障や黄斑変性をおこしていくおそれが多くなる、のが案じられます。

クイック返信

中学校の保健委員会でカラーコンタクトレンズについて話しました

最近、中学生高校生がカラーコンタクトレンズを装用して眼障害をおこすことが増え、眼科医の間でも問題になっています。
先日、校医を務めている中学校の保健委員会で、カラーコンタクトレンズによる障害について話す機会がありました
寒い日で、平日の午後と言うこともあり、参加者は少なかったのですが、先生方はじめ皆様熱心に聞いてくださいました。
「目を大きく見せるために、コンタクトレンズの直径が大きく動きも少なくなるので、角膜の呼吸を妨げる」
「カラーコンタクトレンズの色素によって、結膜炎や角膜障害をきたすことが多い」
と言ったカラーコンタクトレンズの問題点を説明していくと、「そんなことは知らなかった」「初めて聞いた」と言う声が上がりました。

カラーコンタクトレンズを装用して目が痛くなり、受診してこられる中学生高校生を診て、驚くことがたくさんあります。
「眼科で、コンタクトレンズの正しい取扱い方を教わったことがない」
「友達のカラーコンタクトレンズを借りて装用している」
「コンタクトレンズを装用したまま寝ている」

これから成長していく中高生。
しっかりしているようでも、身体はまだ子供。大人のように丈夫ではない。
どうか自分自身の目を大事にしてほしい。
目のために安全なコンタクトレンズを装用して下さい。
少しでも気になることがあったら、眼科を受診して相談して下さい。

学童の色覚検査について

以前は小学校1年・4年・中学1年と、義務教育の期間に3回学校で色覚検査を施行していました。

視力検査と同じように学童達が順番に並んでと言うやり方だったため、プライバシーの侵害問題になり「希望者のみ施行」と言うやり方に変わりました。
ところが「希望者のみ」と言うことになると、受けない学童も増え、実際にいざ進学・就職となって職業選択の際に困った!と言うケースが増えて来ました。
そこで最近は、学校側から、保護者に色覚検査の希望の有無を確認し、希望者は個室で一人ずつ検査を受けるというやり方になっています。

色覚異常は治療で治るものではなく生涯において悪化していくものでもありません。
ただ、自身の色覚異常の有無や異常の程度を知っておけば、進路の選択・将来の職業選択の際に参考に出来ます。

例えば、色覚異常の場合は警察官、多数の乗客を乗せる船舶・航空機の操縦士、染色・内装・塗装等の色彩を扱う職業、配線の被覆ビニールの色の判別が必要な電気工事屋さんなどの職業は、避けた方が良いと思われます。医師や理科の教師なども以前より制限は減っていますが、実際に動静脈血や組織標本の色を判別するとか実験時の化学反応の色を判別するなどの場合は難しいこともあります。

学校の色覚検査で色覚異常が疑われた場合は、眼科でさらに詳しい検査を受けて、将来の進路を選ぶ参考にして下さい。

学校保健委員会に出席して

先日、学校医を引き受けている小学校の学校保健委員会で、学童の視力について、話す機会がありました。
学校保健委員会には、内科(小児科)・耳鼻科・歯科・眼科の校医、学校薬剤師、学校長、養護教諭、保健主事、保護者代表(PTA役員)などが出席し、児童の健康について情報や意見を交換します。

私が、30数年前に、初めて学校検診に来た頃には、小学校5,6年で近視の児童がいる、と言う程度でした。
その後、年々、近視になる年齢が低年齢化しつつあります。
4年生で、女児の半分くらいが近視のクラスも珍しくありません。
ゲームに夢中になって、2年生くらいで近視になる児童も増えています。

児童の生活実態調査の結果を見ると、低学年~中学年の75%以上の就寝時刻が9時以降、高学年になると75%以上が10時以降です。
TVやゲームで過ごす時間が、1週間で1時間半以下の日があるのが、2年生で36%、3年生で25%。
4年生以上になると、週の半分以上の日、1時間半以上、TVを観たりゲームをして過ごす。
夜更かしをして、TVやゲームに没頭すれば、近視になっても不思議ではないでしょう。

もっと、戸外で身体を動かして楽しめる時間や場所があれば、と思います。
学校検診と同じく学校保健委員会も、診察室から出て、学童の生活環境を知る貴重な機会です。

現代っ子に多い近視

新学期が始まって、学校検診のシーズンになりました。

最近では、小学3~4年生くらいから、近視の学童が増えて来ています。

近視と言うのは、近くにピントが合いやすくなった状態です。

勉強、読書、漫画、テレビ、ゲーム、などなど、子供の近業(近くのものを見ること)の時間は、
年々増え続けていますから、近視の子供達が増えていくことに、不思議はないとは思います。

よく、保護者の方から、「近視は治りませんか?」と、訊かれます。

残念ながら、現在の医学では、目薬などの治療方法では近視を治すことは不可能です。

プロゴルファーやプロ野球選手が受けているレーザーによる角膜の屈折矯正手術などは、
これから成長していく子どもにとっては、安全性などの多くの点で、問題があります。

眼科を受診して、近視・遠視・乱視などの屈折異常がないか検査を受け、必要なら眼鏡あるいはコンタクトレンズを処方してもらうことを、お勧めします。

早く眼鏡をかけたから近視が治る、と言うことはありませんが、ピンぼけの状態のまま放置しておくと、視力が出にくくなることもありますので、要注意です。

子供が近視になったら、やっぱり眼鏡が必要です

多くの小学校では、春秋の年2回、視力検査をおこないます。
その結果、保健室から、「視力低下のお知らせ」をもらった学童達が、検査を受けるために眼科に来院します。
屈折異常(近視・遠視・乱視)がないか、目の病気がないか、を検査し、視力測定をします。

視力検査の結果、見えにくそうな学童には、
「学校で、黒板の字は見えていますか?」
「塾通いしている場合は、塾では見えていますか?」
「ピアノを習っている場合は、楽譜は見えますか?」
「野球をしている場合は、夕方薄暗くなってきた時に、ボールは見えますか?」
などと、日常生活で不自由していないか、尋ねます。

最近、高学年の女子児童で、近視なのに「眼鏡をかけたくない」と言う子を何人か見かけました。
微妙な年頃で、眼鏡に対して抵抗があるのかもしれません。
でも、学年が進むにつれて近視も進行して、黒板の字が見えにくくなり、いよいよ不自由になった時に、困る時があります。
裸視で見えにくいまま、長期間放置していると、網膜にピントが合わず脳が見えると認識しにくいまま成長してしまいます。
そうなると、レンズで矯正しても、なかなか視力が出にくいことがあります。また、レンズの度数が弱い眼鏡から少しずつ慣れないと眼鏡がかけられず、良く見える眼鏡をかけられるようになるまで手間がかかる場合もあります。

「近視の進行を抑制する可能性のある眼鏡」や「コンタクトレンズを装用して
近視の進行をくい止めるオルソケラトロジーなどの治療法」が開発中ですが、
安全で確かな実用にはまだ時間がかかりそうです。

最近、軽くて使いやすい眼鏡が出ています。  眼鏡を敬遠せず、上手に使って下さい。