小学校の就学時健診に行きました

来春入学予定の子供達を、5年生が引率して視力検査・聴力検査・眼科・耳鼻科・内科と、校内を回ります。

診察する校医の隣で、誘導したり出席簿にチエックしたりお手伝いしてくれるのも5年生です。

手の空いた時に、そんな5年生の話を聴いていると、勉強以外に、読書やスポーツを楽しんでいる様子でホッと安堵します。

最近視力検査に来院する子供達を診ていると、どんどん近視が進行していくケースが、以前とは比較にならないほど増えています。
そう言う子供達に共通するのは、ほとんどの場合、一日のうち長い時間を、ゲームやスマホや携帯をいじって過ごしていることです。
まだ視機能も発達途中の子供達は、ゲーム機・スマホ・タブレット・携帯のような小さな画面を見続けると、大人よりもずっと急速に、調節力を衰えさせ近視の進行を異常に早めるようです。
そうした子供達が、大人になって強度近視になっていき、(最近は平均寿命が長いので)正常眼圧緑内障や黄斑変性をおこしていくおそれが多くなる、のが案じられます。

クイック返信

小中学校の保健室の役割

今年も、学校健診の季節になり、小学校2校中学校2校に出かけました。

小中学校のうちそれぞれ2校は養護教諭が2名ずつ常勤、あとの2校は生徒数等により一人勤務です。
一人勤務の養護教諭は、保健室本来の仕事に加えて、子供達が保健室に来て様々な訴えをする応対に追われます。
小学校なら、例えば体調不良(でも、熱もない。そんなにしんどそうでもない)。「いつから?」と訊けば「昨日から」。
中学校なら、「先生が嫌い」「クラスメートが嫌い」「勉強が嫌い」等。
一人の養護教諭が、そんな子供達に(実際の病人ケガ人も含めて1日30人以上になるそうです)に対処していると、本来の業務が後回しになってしまう。
校長・教頭・担任に相談しても、なかなか良い対応策がない。
こんな話を、2週続きで耳にして、さすがに驚きました。

学校組織の中で、養護教諭は、保健室登校(不登校より一歩前進)、生徒のメンタルヘルス、などの役割を担っています。
スクールカウンセラーは、予算の関係もあり、毎日学校にいる訳ではありません。
どの学校も養護教諭(もちろんスクールカウンセラーも)の数を増やしてあげてほしい、と思います。

高齢者の視機能も保持したい

介護保険認定審査会に出席しています。
加齢に伴い、内科や整形外科などの病気になったり、認知症になったりすることが増えてきて、要介護の対象になるのですが、目の病気のある高齢者も、もちろん多く見られます。

「自分で内科の薬がきちんと服用出来ない」方もありますが、緑内障の目薬を点眼するのを忘れる、と言う患者さんも増えてきています。
この「点眼忘れ」は、緑内障外来でも問題になってきています。
「点眼しているはずだった抗緑内障薬を、実は点眼し忘れて、緑内障が進行する」と言う患者さんも見かけられ、安全な手術治療を選ぶべきではないか、との意見も出て来ています。

「白内障の手術を、いつ受けるべきか」も、尋ねられることが多いのですが、80頃までの心身ともに健康な時期に受けておく方が良いのではないか、と思います。
少しでも体力のある時期の方が術後の経過も良好ですし、良い視力が得られると、情報が脳に入力されやすくなり、認知症を防ぐ効果もあるような気がします。

高齢化社会に向けて、視力も(もちろん聴力も、心身の機能も)良好な状態でお過ごし頂きたいと思います。

中学校の保健委員会でカラーコンタクトレンズについて話しました

最近、中学生高校生がカラーコンタクトレンズを装用して眼障害をおこすことが増え、眼科医の間でも問題になっています。
先日、校医を務めている中学校の保健委員会で、カラーコンタクトレンズによる障害について話す機会がありました
寒い日で、平日の午後と言うこともあり、参加者は少なかったのですが、先生方はじめ皆様熱心に聞いてくださいました。
「目を大きく見せるために、コンタクトレンズの直径が大きく動きも少なくなるので、角膜の呼吸を妨げる」
「カラーコンタクトレンズの色素によって、結膜炎や角膜障害をきたすことが多い」
と言ったカラーコンタクトレンズの問題点を説明していくと、「そんなことは知らなかった」「初めて聞いた」と言う声が上がりました。

カラーコンタクトレンズを装用して目が痛くなり、受診してこられる中学生高校生を診て、驚くことがたくさんあります。
「眼科で、コンタクトレンズの正しい取扱い方を教わったことがない」
「友達のカラーコンタクトレンズを借りて装用している」
「コンタクトレンズを装用したまま寝ている」

これから成長していく中高生。
しっかりしているようでも、身体はまだ子供。大人のように丈夫ではない。
どうか自分自身の目を大事にしてほしい。
目のために安全なコンタクトレンズを装用して下さい。
少しでも気になることがあったら、眼科を受診して相談して下さい。

目の不自由な人を見かけたら

最近、街中や駅のプラットホームで、白い杖を持った人を見かけることが多くなりました。
通い慣れた場所なら、誘導用ブロックに従って、さっさと歩ける視覚障害者もおいでなので、混雑した駅中などでは健常者が視覚障害者だと気づかないこともあります。
でも、もし気がついたら、安全に進んで行けるよう、見守ってあげて下さい。

ホームで、電車を降りた後、反対方向に歩いて行こうとなさったり、電車に乗ろうと待っていた場所と入って来た電車の停車位置が微妙にずれていたりするのを見かけたことがあります。
そう言う場合は、迷わず声をかけてあげて下さい。
出来れば、まず「もしもし」と呼びかけ、「お役に立てれば幸いです」と言う気持ちを伝えるのが良いと思います。
誘導する時は、肘を持ってもらい、先にたって歩くのが一般的です

日本人の失明の原因には、緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症などがあげられていますが、寿命が延びるにつれて、中途失明のケースも多くなっています。
お互い、気をつけて、安全に老後を過ごしたいものです。