トピックス

このエントリーをはてなブックマークに追加
あなたの大切な眼の健康のために役立つちょっとした豆知識です。

ブログ一覧

メガネをかけたくない気持ちと調節性内斜視の関係

調節性内斜視とは、ほとんどが遠視の小児で調節する(ピントを合わせる)ときに過剰な眼球の内よせが起こって「より目」になる状態を言います。

初期には間欠的な斜視や交代性の斜視ですが,放置しておくと恒常的な斜視や片眼斜視となり,斜視眼が弱視になることがあります。絵本を見始めるくらいの2~3歳頃に発症することが多く、遠視の眼鏡を装用をすると斜視が矯正されます。
一部調節性内斜視の場合は、眼鏡装用のみで完全矯正されずに残った斜視に対してのみ、手術をおこないます。

最近、「コロナウイルス流行防止のマスクをすると眼鏡が曇るので、メガネをはずしたい」と訴える子供さんが増えています。でも、メガネをはずすと内斜視になります。

そこでメガネを装用せずに内斜視矯正術をおこなうと、見た目は一時的に斜視が治ったようでも遠近感・立体感などの両眼視機能が獲得されていないので、こんどは外斜視になってくることがあります。

調節性内斜視は、メガネをかけて、徐々に両眼視機能を獲得していく治療が大切なのです。
マスクをしてもメガネが曇りにくくなる工夫もいろいろ提案されていますので、試してみてください。

小・中学校眼科検診に行って来ました

例年春(4月~6月)に小・中学校の眼科検診に行くのですが、今年はコロナウイルス流行で9月以降にずれ込んでしまい、先週でやっと終了しました。

マスク・手袋・ガウン・フェイスシールドを用意され、子供達もマスク着用で、密にならないように、おしゃべりを避けて、例年1日で済むところを2日に分けて、緊張しながらの検診でした。

検診終了後、養護教諭の先生方に教育現場の実情を伺いました。

コロナのため休校が続いた際に、自宅に籠り、オンライン学習・ゲーム・YouTubeなど小さなモニター画面を見る生活が多くなり、調節力低下をきたして近視が進行した子供達が増えています。

休校中にゲーム依存が高じて、学校が再開後も、登校しづらくなった子供達も見られるそうです。

また些細な体調不良やかすり傷でも、不安がって保健室を訪れる子供達もいて、養護の先生方に「大丈夫。心配ないよ」と言ってもらうと安心して、教室に帰って行くそうです。

生徒数の多い小・中学校では養護教諭は2名配置されていますが、1名の学校も多く、養護の先生は児童・生徒達に細やかな心配りをしながら多忙な業務をこなしておられます。

学校検診だけでも内科・耳鼻科・歯科・眼科それぞれの検診の手配・円滑な実施・結果の検討・報告書類作成とすべきことは山積みです。

保育園幼稚園も含め学校教育に、次代を背負っていく子供達のために、もっと予算を割いてほしいと思います。

学校検診は、診療の合間を縫って休診日に出かけますので、なかなかしんどい時もありますが、教育現場で子供達の様子が見られ、養護教諭の先生方のお話も聞ける良い機会だと思っています。

眼の症状からわかる脳の病気の可能性

「車を運転中に、視野の一部が見えなくなって慌てた」
「TVやパソコンのモニターを見ていて、視野の一部に見えないところがあるのに気付いた」
このような訴えで受診に来られる患者さんが時折いらっしゃいます。

高血圧や心疾患のある高齢者や過労気味の方に多いです。

このような患者さんに検査を行ってみると、実は深刻な症状が隠れていることがあります。
眼底検査の結果、網膜血管が閉塞あるいは閉塞寸前の方。
視野検査の結果、半盲がわかった方。
(半盲とは「右眼も左眼も、片側だけ見えにくくなる片側の視野障害」です)

視神経は、脳の中を走っています。まっすぐに走っている神経線維や交叉している神経線維があり、脳内の病気の部位によって視野障害の症状が異なります。

脳へ行く血管の枝(内頚動脈)の一つを眼動脈と呼び、ここが狭窄すると目に来る血流量も減ります。
また内頚動脈が閉塞すれば、脳梗塞を起こします。
脳の中を走る視神経の近くで脳梗塞がおこれば、視野の障害が起こります。
視神経の近くに出来た脳腫瘍が視神経を圧迫し、視力障害や視野障害をきたす場合もあります。

このように実は眼に出る症状と脳の疾患とは深いつながりをもっています。

「目がかすむ」「光が走る」など目の症状を訴えて眼科を受診される患者さんは多いのですが原因となるような眼科の病気(網膜疾患や緑内障、斜視など)が認められない場合は内科の主治医先生に連絡して頭部MRIなどの精査を受けられるようお勧めしています。

幼児の視力

生まれた時にはまだ十分出来上がっていなかった視神経の回路が、成長とともに形成されていき、3歳頃をピークに完成していきます。と、視覚(視力・両眼視機能・眼球運動機能)も発達して、6歳頃には視力が1.0以上になります。

以前は、就学時(6歳)に初めて視力検査を受けて視力不良がわかることが多かったのですが、それでは視覚発達時期を過ぎているので、1990年から三歳児眼科検診に視力検査が導入されました。自覚的視力検査が可能になるのが3歳頃です。3歳頃に視力不良とわかった子どもは、「見えない」原因をみつけるために精密検査を受け、視力不良の原因を明らかにし、原因に合った治療によって「網膜上に焦点を結ぶ」(つまり「ハッキリ見える」)ようになります。視覚発達時期に「網膜上に像を結ぶ」ことができるようになると、その時点から視神経の回路が作られていきます。視力の改善が期待できるので、弱視にならないですみます。「弱視」とは、「視力の発達が障害されておきた低視力」のことで、眼鏡をかけても視力が十分でない場合に使われます。

残念ながら、三歳児健診の会場で視力検査を実施している自治体が少なく、多くの自治体は一次視力検査を保護者任せにし、家に視標を送って「家で視力検査をやって下さい。異常があれば健診会場で言って下さい」と言うやり方なので、視力不良を見逃して弱視になる幼児も少なくありません。子供は自分から「見えにくい」とは言いませんので、周囲の大人が「斜視がある」とか「見えにくそうにしている」とか気づかなければそのままになることが多いのです。

最近、乳幼児用に開発されたフォトスクリーナーが普及し、小児科で屈折異常・眼位異常を指摘されて来院される乳幼児を見かけます。それは喜ぶべきことだと思いますが、眼科での視力検査が必要です。

幼児の視力検査は、学童や大人と違って、集中出来る時間が短く、手間がかかってなかなか大変ですが、未来を担う子供達は大切にしなければ。

また、眼科で屈折異常や眼位異常を検査して、メガネを作って視力が出てきても、「メガネをかけていると遊ぶ時など危険なので」と言う保育園もあると聞きました。動きの活発な幼児を預かる保育園・幼稚園の先生方も大変ですが、子供の視機能を守るために、ご理解頂きますようどうぞよろしくお願いたします。

コロナの影響で、目も疲れることが増えました

コロナウイルス流行のため、お家で過ごす時間が増えています。

長い休校の後再開された学校の視力検査で、視力低下を指摘された子供達が受診してきます。

休校中、ゲームやYouTubeに費やす時間が増え、タブレットやスマホなどの画面を見る時間が長くなり、調節力が低下したようです。

学習塾の授業をオンラインで受ける子、従来の紙のドリルではなくタブレットで勉強している子も同様です。

熱心にWeb受講を受けていた大学生も、「遠くが見えにくくなったような気がする」と訴えることが増えました。

大人の患者さんも、お家でPCやスマホを見て過ごす時間が長くなり、「目が疲れる」「見えにくくなった」と来院されます。

でも、やはり一番心配なのは、これから成長していく小学生です。

今や、長寿時代です。

今後、子供達の近視がどんどん進行して、成人してから近視性眼底・正常眼圧緑内障・網膜剥離などの目の病気にならないと良いのですが。

暑い夏が過ぎ、秋らしい爽やかな季節になりました。

外に出て、密にならないところで、自然に親しみ、身体をリラックスさせてあげてほしいと思います。